相模向陽館高校 研究発表会

11月16日(金)・17日(土)の2日間に渡る本校の研究発表会に17都道府県から、 学校関係者、教育行政関係者、学校支援ボランティア等、 延べ約300人の方が来校してくださいました。感謝申し上げます。 どうもありがとうございました。

パネルディスカッション「相模向陽館に期待するもの
     ~協働と信頼に根ざした学校づくりの視点から~」


パネリスト
   泉妻 輝夫氏(クラーク記念国際高等学校教育部長)
   具志堅幸司氏(神奈川県教育委員会委員長)
   山本 正人氏(前神奈川県教育長)
   伊藤 昭彦氏(前本校学校長)
   今井 信一(本校校長)

コーディネーター
   小島淳子(本校副校長)


それぞれの立場から、「相模向陽館高校のこれから」に期待することを語っていただきました。

今井校長

  • 私たちは、生徒の成長に勇気づけられてきた。
  • 開校以来、生徒の置かれている状況を踏まえ、教員と生徒との関係性を重視して、取り組んできた。
  • 配付資料にある生徒指導提要(文部科学省、平成22年3月)にもあるように、 その場だけで問題行動が抑制されればよいということではなく、 生徒自身の内面の気づきを促し、生徒自身が適切な行動をとることができるよう、 それをめざした指導を行ってきた。  
  • この研究発表会を開催したねらいのひとつは、本校の理念を原点に立ち返って見つめなおしたいということがあった。


具志堅氏

  • 今日一日楽しく時間を過ごした。かながわ教育ビジョンに沿って学校が運営されている ことをこの目で確かめて、うれしく思う。
  • 内村航平選手は、北京オリンピックを経て、彼自身の中にコーチ内村航平が誕生する。 転機が人を変える。私たち大人、親、指導者は、転機をどう導くかを考えることが重要である。
  • 私は清風高校に入って体操をしたくて、勉強の必要性を感じた。 真剣に勉強した。今思えば、これが私の転機だった。
  • 私の息子は高校時代につまずき、通信制の高校を卒業した。 その後、ある人物との出会いを経て、自分の進むべき道を自ら見つけ、 それに向かって真剣に取り組んでいる。
  • 本気になると何かが変わる。本気をどう引き出すか、が一番重要である。


山本氏

  • 高校改革に関わり、学校を統合する中で、様々な地域で保護者に説明をする機会があった。 様々なタイプの学校を作り、柔軟に生徒たちを受け入れてきた。 しかしながら、結果として、こぼれていってしまう子どもたちがいた。
  • 子どもたちを受け入れる学校として、より柔軟な、昼間で、3年にこだわらない学校が あっていいと思っていた。高校改革の最後の段階で教育長となり、それが実現した。
  • 実は今日、授業を初めてみた。先生方が明るく下を向かず、常に生徒を見ながらやって いるという状況を見て、良かったなと思った。これからも、向陽館を応援していきたい。 皆さんにも温かい目で見守っていただきたい。
  • 向陽館の取組みはそこだけで完結しない、中学校や特別支援学校などでも役にたつので はないかと考えている。


泉妻氏

  • 向陽館に対して期待することを2つ述べたい。
  • 学校ナビゲーションにあるメッセージ「自分を変えるきっかけを見つけたい人、自分に 秘められた可能性を追求してみたい人、相模向陽館はそのような人たちのための学校で す」とある。入学してきた生徒に対してしっかり関わるよ、と宣言している学校は他にない。
  • さらに入学者像として様々な課題を抱えた生徒を受け入れるよと明記している。そして そのために、先生方がカウンセリングの勉強をしている。これは研修だけではなく、日々 自ら研鑽しなければ身に付かない。教員は毎日が実践、研修である。
  • かつて私は上司から、「生徒指導とは、相手の話を聞くことだよ、聞くことから生徒指導 が始まる。」と言われた。
  • 昨年、生徒から話を聞く機会があった。向陽館の先生は生徒の気持ちを大切にして、よく話しかけてくれる、先生は上からものをいうものと思っていたが違う、よく話を聞いてくれるという。
  • 来年着任する先生方も、こうしたカウンセリングマインドを身につけ、生徒たちと関わ ることができるよう期待している。
  • もう1つは、「すこやか(総合的な学習の時間)」の取組みである。昨日、分科会で話を聞 き、長い時間をかけて、生徒たちがゆっくりと変容していく様子がわかった。
  • 向陽館のホームページにある第1期生の入学式の挨拶に「大きな耳、小さな口、優しい 目」という話がある。向陽館高校では、今後もこれを実践していくことを期待している。


伊藤氏

  • 前日の講演では、2つのことを申し上げた。生徒の表面化した言動ではなく、表面下の 言動に着目していくことが必要。これは、例えて言うと、漢方薬を処方するようなもの で、効果が表れるのに時間がかかる。そのために必要なのは、職員のメンタルヘルスで ある。そのためには職場の協働性・同僚性をどう保つか。お互いにちょっとしたことを 意識していくことで実現できるのではないか。
  • 学校の理念を明確に伝えることで、保護者や地域の方々の理解・協力を得ていく必要が ある。ただし、協力者が増えると期待も膨らむ。期待に押しつぶされることなく、学校 は自発的、自律的に考えていく必要がある。
  • そのためには、どうしたらよいか。私は、この学校がなくなったらいったい誰が困るか、 ということを常に考えていた。困る人に焦点を合わせて最善の策を講じていくというこ とだと思う。


会場から

  • 相模向陽館高校の取組みを、是非全国に情報発信してほしい。
  • いじめなどの問題があることが問題というよりも、問題を受け止め合っていこうとしな いことが問題である。親として、問題のない学校に入れたいというよりも、問題がどん なにあってもそれをお互い受け止め合っていこうとする学校に子どもを入れたいと思う。 言うのは簡単だが、先生方の苦労は並大抵ではない。生徒とも直接接して、光を見た。 先生方の接し方、温かさのバトンが受け渡されていく学校だと感じた。


具志堅氏

  • 学生たちには、成功体験をしてもらいたいと思っている。
  • 人間は人から感謝された時に、喜びを感じる。生きることは、人にどれだけ貢献できる かに尽きるのではないか。
  • 相模向陽館高校に来てうれしく思う。良い授業、生徒と教員との良い関係があると思う。 ある一面、教育は良い習慣の押しつけだと思いつつ、一方で向陽館のような取組みがあ る。是非、今後も向陽館高校を応援していきたいと思う。


    


参加者アンケートより


  • 具志堅先生のお話はとても心に伝わってきました。本人が考え行動する力をもっていること。信頼することの大切さも改めて感じました。
  • パネリストが素晴らしい人達の集まりでトークもよかったです。
  • 様ざまな立場から子どもと関られて感じておられることは、これからの自分がどう子どもと向き合うべきかという視点からとても勉強になった
  • 教師と生徒の人間、信頼関係が根本であると再確認しました。それを大切にする学校を切実に求めている子どもは、数多くいると思います。
  • 具志堅さんをパネリストに選ばれてよかったです。結果を出された方の話は、説得力もあるし内容も良かったです。息子さんの話は伝わるものがありました。
  • 生徒の話をきく-大切なことだと思います。私も実践しています。クラス担任には話せなくても、誰かに話すことによって生徒自身が成長していっていることを実感しています。
  • それぞれのお立場からのお話を伺えて参考になりました。そしてそれぞれの方向からも向陽館の取組を支持されているのを感じ、素晴らしいと思いました。
  • 生徒も教師も元気になる学校になっていると感じました。生徒は自らの尊厳が尊重されることによって、次第にパワーを蓄え、ここに応じた本気を出すきっかけを先生から適切に与えられた刺激によって獲得して、元気一杯! それも急がず待ってもらえる安心感と共に…..。先生はカウンセリングマインドを身に付けることによって、新たな教師冥利を味わい感激して元気が出るようになる、生徒教師の正のスパイラル作り、もっと大きく花を咲かせることになろうかと期待しています。
  • 「生徒指導とは、相手の話を聞くことだよ」との言葉、肝に銘じます。
  • 転機のお手伝いが出来るようにしていきたいと思いました。
  • パネラーの方、お一人ひとりの向陽館への思いがよくわかりました。職員が向陽館の存在意義を問うているのは大切なことだと思います。
  • コミュニケーションに関する取組みを様ざまな個性を持つ子供達それぞれに合わせてやっていくのは大変かと思いますが先生方・保護者・生徒・色々な関りの中で成長の手助けをしていって欲しいと思います。
  • 職員が入れ替わってもこの流れを継いで下さい。
  • 全国に情報を発信して欲しいと思います。
  • 他の学校にも広めていただくことを期待しています。
  • 諸事情で学校で学びにくい子供達が、生きていく為のスキルや学力が身に着くことが出来るように、日本の中での初モデル校を目指してもらえたらと思います。
  • 教育界の原点となる学校づくり、組織づくり、そして人間づくり、お励みくださいますこと応援致します。見学に参加し、楽しく、温かく、そして情熱を感じています。ありがとうございました。
  • 進路指導が今後大きな山となります。どうか生徒の夢を実現させてください。
  • 若い職員が向陽館から育ち、県立高校の教育が成長する日が必ず来る。
  • 大きな耳、小さな口、優しい目をもっともっと広げ深めていってください。