寸劇シナリオ

ある教室の風景-その1  よくありがちな場面

 (教室に入るや否や)
T 「はい、じゃあ授業を始める前に宿題を集めるぞ!・・・」
(教室中の生徒を一応見渡した上で)
「ほら、よし子、今日はやってきたか?」
(目を逸らして、うつむいて無言)
S 「・・・。」
(しょうがないなあという表情ありありの顔で)
T 「まさか、また忘れたのか?何でだ、よし子!3回連続じゃないか!
何考えてんだ。お前、やる気あんのか?理由を言え、理由を!」
(口をとんがらせて)
S 「だって・・・。」
(この後は、腕組みをして怒りを露にして)
T 「だって何だ?」
(いちいち応えるのが面倒くさい、といった感じで)
S 「だって!忙しくて、なのやっちゃらんないの!」
T 「何?忙しい?どうせ遊んでるだけだろが!」
(逆切れして)
S 「もういいよ!」
T 「何がもういいんだ!それが忘れてきた人間の言うことか!」
(ふてくされて、いかにも憎憎しく)
S 「はい、はい、はい。す・い・ま・せ・ん・で・し・た!」
T 「なんだ、そのふてくされた言い方は!」
S 「はい、はい、どうせ私は悪い子で~す。よし子じゃなくて、わる子ですよ!」
(と言いつつ、かばんをもって教室を出て行きながら捨て台詞として)
「はい、失礼しました、さようなら!」
T 「おい、おーい、わる子、あ、いやよし子!こら待て!」
(やや間を置いて出席簿に書きながら、他の生徒にわざと聞こえるように)
T 「あいつも、あと一回授業に出なかったら、単位はアウトだな」

ある教室の風景-その2  相模向陽館高校にて

(生徒よりも一足早く教室に入っていて)
T 「はい、では授業を始める前に宿題を集めま~す」
(教室の生徒を一応見渡した上で、1人の生徒のそばに寄っていきながら)
  「佐藤よし子さん、なんか元気ないけど、どうしたの?」
(目を逸らして、うつむいて無言)
S 「・・・。」
(何か事情があるな、ということを感じながら、よし子の顔を伺いながら)
T 「外れていたらごめんなさいだけど、もしかして宿題できなかったの?」
(申し訳ない、といった感じで)
S 「うん・・・。」
T 「そうか、なにかあったの?」
S 「やらなきゃとは思ったんだけど、ここのところお母さんの体調が悪くて、ご飯作ったり洗濯して疲れて一寸横になったら朝になっちゃって・・・」
T 「そうか、家のことやってえらいじゃないか!」
S 「でも、宿題忘れたことには変わりないし・・・」
T 「忘れたと言うか、疲れてできなかったんだろ?」
(ちょっと自分に対して納得できないといった感じで)
S 「うーん」
T 「佐藤さんは、宿題もやりたかった。でも家のこともやらなくてはいけなかった。でも、疲れてもいたので昨日は宿題をこなすことができなかった、ということでしょ」
S 「うん、そう。」
T 「じゃあ、今度宿題が出たらどうしたらいいと思う?」
(しばらく考えてから)
S 「妹にも家のことをちょっと手伝ってもらって、何とか宿題もできるように時間を作ってみる・・・とか」
T 「そう。それはできそう?」
S 「妹とは仲がいいから大丈夫だと思う」
T 「そうか、じゃあ今度は家のことも宿題もできるといいね!正直に言ってくれてありがとう。お母さんのこと、お大事にね!」
S 「はい、ありがとうございます。」
T 「はあい、じゃあ教科書の39ページ開いて!佐藤さん読んでくれる?」

ある教室の風景-その3  よくありがちな場面


担任A 「はい、じゃあさよなら。気をつけて帰れよ!」
生徒B「あのう、飯田先生さあ。ちょっと聞きたいことがあるんだけどさあ・・・。」
担任A「え?何?時間かかる?今ちょっと忙しいんだけど、今じゃなきゃダメか?」
生徒B「・・・。うーん。今のほうが・・・。いいんだけど・・・。」
担任A「わかったよ。でも早くしてくれ。あんまり時間ないから。」
生徒B「あのさあ、さっき出した進路希望の紙なんだけどさあ。
あれ、ほんとはさ・・・。」
担任A「なんだ、これのことか。これがどうした?適当に書いたのか?」
生徒B「そうじゃないけど、ちょっと、親と・・・。」
担任A「なんだ、はっきり言えよ。」
教員C「あ、飯田先生いたいた。職員室に電話かかってますよ!」
担任A「あ、すみません!今すぐ行きます!
て、ことだから、安田、また明日聞くから。じゃあな!」
生徒B「なんだよー!何でも相談しろって言っといて!まったく!
イーーーだ!」
担任A「おい!おまえ今俺のこと呼び捨てにしたろ!」
生徒B「してねえよ!」
担任A「おいこら、待て!」

ある教室の風景-その4   相模向陽館高校にて


担任D「はい、じゃあさようなら。気をつけて帰ってね!」
生徒E「あのう、飯田先生さあ。ちょっと聞きたいことがあるんだけどさあ・・・。」
担任D「なに安田さん、どうしたの?」
生徒E「・・・。うーん・・・。」
担任D「ここでいい?それとも別の部屋に行く?」
生徒E「あのさあ、さっき出した進路希望の紙なんだけどさあ。 あれ、ほんとはさ・・・。」
担任D「そうか、進路のことか。じゃあ、ゆっくり話さなきゃね!」
生徒E「ああ、はい。」
教員C「あ、飯田先生いたいた。職員室に電話かかってますよ!」
担任D「あ、すみません!今、ちょっと手が放せないんですけど、どなたからですか?」
教員C「えーと、相模高校の榎本先生からです!」
担任D「あ、わかりました。申し訳ないんですけど、後でこちらから掛けると伝えていただけませんか?」
教員C「了解。じゃあ、そう伝えておきます。」
担任D「あ、ごめん、ごめん。じゃあ、ちょっと時間かかりそうだから、相談室に行こうか?」
生徒E「はい。じゃあ、一足先に行って待ってるから、先生、電話済ましてから来てよ!」
担任D「そうか、ありがとう。じゃあ、そうしよう。電話はたぶんすぐに終わるから、今から10分後に相談室で。いいね!」
生徒E「了解。お待ちしております!」

ある学校のラウンジの風景-その1  よくありがちな場面

愛美
「なに、美咲!ピアスしたの?」
美咲
「シーッ!見つかったらやばいんだから!」
千夏
「馬鹿じゃない!見つかるに決まってるじゃん! ほら、飯田が来たよ!」
飯田
「ほら、3人集まって何やってんだ? また何か悪さしてんのか? あっ!美咲!お前ピアスしてんのか!校則違反だぞ!」
愛美
「やば! 逃げよう!」
飯田
「こら待て!」
美咲
「いてーよ。放せよ!」
飯田
「ほら、ピアス外せ!」
美咲
「耳がちぎれちゃうよ!」
飯田
「うわあ!なんだこりゃ!」 (美咲のいたずらにびっくりする)
飯田
「おいこら、待て!」

ある学校のラウンジの風景-その2   相模向陽館高校にて

愛美
「なに、美咲!ピアスしたの?」
美咲
「え?みんなしてない?操ちゃんもしてるよ!だって、高校生になったんだからさ、ピアスぐらいオッケーでしょ!」
愛美
「ふーん。ねぇ、千夏はどう思うピアス?」
千夏
「だって、校則で禁止じゃないの?」
山本
「こんちは。3人で何話してんの?」
千夏
「先生、うちの学校って、ピアス禁止だったよね。」
山本
「いや、特にきまりはないけど・・・。 なに、千夏さん、ピアスしたいの?」
千夏
「ううん。私は友達なんかに左右されないから。 でも、この2人は違うみたい。」
愛美
「そんなあ。別にしたいわけじゃないけど・・・。 親も反対するし・・・。」
美咲
「私も親にさんざ怒られちゃったよ、先生!」
山本
「あっ、美咲さん、穴開けちゃったんだ。 ところで、親は何て言ってるの?」
愛美
「親の言うことは決まってんじゃん、先生。 高校生らしくしなさい! でしょ、ね!美咲!」
美咲
「うーん。でも女子高生はみんなしてんだから、してるほうが高校生らしいんじゃない?」
千夏
「みんななんてしてないでしょ!一緒にしないでよ! でもさ、普段しててさ、学校の中だけ外す人ってさ、 なんか、変じゃない? カッコワリイ!」
山本
「なるほどね、ピアスか。まあ、ファッションといえばファッションなんだろうけど・・・。オシャレしたい年頃だしなあ。 でも、ピアスって人によっては合わないとも聞くけどねえ。」
美咲
「エー!私には似合わないってこと?」
山本
「違う、違う。体質的に合わない人もいるらしいってことさ!」
千夏
「・・・。そういえば、友達でピアスして耳がただれちゃった子がいたよ!」
愛美
「あ、知ってる!金属アレルギーってやつ?」
千夏
「なんか、めんどくさいんだって、手入れが。」
山本
「あ、直人君そこにいたんだ。勉強してるの?」
直人
「あ、はい。トライアルタイムの補習まで時間があるので。」
山本
「ところで直人君は、ピアスどう思う?」
直人
「僕は、ピアスはしません。」
山本
「いやいやそうじゃなくて、ピアスについてどう思う?」
直人
「・・・。先日テレビで、ピアスしたらその後1年間は献血できないって言ってました。」
愛美
「へー、何でだろう?」
直人
「あと、単なるオシャレじゃなくて、宗教上の理由で、小さい頃からお守りとして、親が子どもに付けることもあるようです。」
美咲
「へー、そうなんだ。直人君、物知りだね!」
直人
「いやあ、それほどでも・・・。」
美咲
「もうちょっと考えてからにすれば良かったかなあ?」
山本
「なるほど。いろいろ調べると面白そうだね。 どう、みんなで手分けしてピアスについてもっと情報を集めてさ、それを今度の文化祭で発表したら!」
愛美
「それから決めてもいいね、いろいろ知ってから。」
千夏
「直人!直人も手伝ってよ!」
直人
「僕ですか?」
美咲
「うん、みんなで手分けしようよ。」
山本
「じゃ、先生も手伝うよ!」
愛美
「よし!決まり!じゃあ、まずはインターネットで調べる?」
千夏
「じゃあ、今からコンピュータ室行ってみる?」
みな
「行こう、行こう!」
直人
「しょうがない、行きますか!」